その8) 山鉾の組み立て過程を見に祇園祭に行こう~山鉾建て(前祭)7月12日編♪
日本の三大祭のひとつに数えられる『祇園祭』。街のいたるところに豪華絢爛な山鉾が立ち並び、『コンチキチン♪』と鳴るカネの音と、太鼓や笛によって奏でられる「お囃子(おはやし)」が響き渡ります。今年も京都市内はそんな祇園祭の時期がやってきました。
この祇園祭とは、京都で毎年7月に行われる八坂神社の祭礼。その由来はなんと平安時代なんですね。そして祇園祭といえば、豪華絢爛な山鉾が街中を練り歩く巡行や、豪快な四条河原町交差点での辻回し、そして夜、多くの出店が立ち並び賑わう宵山を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
でも祇園祭は決してそれだけではありません!!実は祇園祭は7月1日から31日まで1ヶ月間続きます。その間多くの準備や行事が行われ、その中には一般の方も参加できたり、見たことのない祇園祭の姿を見られたりしてとっても面白いんです(^^♪
今回はいつもとちょっと違った祇園祭を堪能してきましたのでご紹介しま~す。
☆2018年7月12日編☆
12日のお昼前、地下鉄で四条まで来て路上に出ると、先日とは雰囲気が変わり、目の前に『函谷鉾』が組み立てられていました。おぉ~、祇園祭や~。
そして四条通から室町通に入ると、『鶏鉾』が完成していました。前掛はペルシャ絨毯ですね。
組み立てに携わっていた方々が一仕事終え、昼食を食べておられました。
4時間ほど経った3時半ごろ、再び外に出ると、『船鉾』がまだ組み立ての途中でした。
こんな組み立てる過程を見られるのは、前祭の特権!他の鉾に比べ小さいながらも、船の形になっていくであろうと何となく骨組みでわかった!!強いて言えば、どうやって収蔵庫から運び出したかも見たかったなぁ。でもこの骨組みの時点ならではの、この縄の巻き付けが見られるのは、山鉾巡行では見られない、明日にだって見れなかったと思うとほんとに貴重な時間でした。
このように山鉾の組み立ては荒縄による縄絡みと呼ばれる伝統的な技法で行われますが、これは釘を使わないからなのです。この縄絡みは巡行の際に起きる揺れによる歪みを吸収することが出来、釘よりも優れているようです。「長刀鉾」では運動会の綱引きの綱のようなものも使われていました。そんな貴重な縄絡みが見れて興味深かった。
再び四条通に出て『月鉾』を見る。山鉾一の高さを誇るだけあって、てっぺんまで写真に収めるのが大変でした。鉾のてっぺんの鉾頭は『月』ですが、ちょっと見辛いのが残念。あと、雨は降ってないですが、雨よけのビニールがかぶせられていました。
次は『菊水鉾』。鉾頭から少し下がったところに『菊』の飾りがあり、そういうところの発見も楽しいですね。
また車輪には『菊紋』が入っていましたよ。
マンションの一室から出入りしているのが、何とも近代的で、絶対に平安時代にはなかったもののはず。古い伝統を守りつつ、少しずつ近代的な部分に変貌していくのは致し方のないことなんでしょうか。
そして山鉾巡行の先頭を行き、生き稚児を乗せる唯一の鉾、『長刀鉾』。
鉾頭の『長刀』がご立派でした。
笛による『お囃子(おはやし)』が響いていました。
うろうろしている間に、『函谷鉾』に先ほどまでなかった提灯がぶら下げられていて、明かりが灯っていました。いよいよ雰囲気も出てきました。
そして先ほどの『菊水鉾』にも同じように提灯が吊り下げられていて、明かりが灯っていました。
このようにして12日は前日までに組み立てが終わった山鉾もある中、組み立て途中の山鉾の出来上がっていく姿が見て取れたり、提灯が灯るところまでの完成していく過程が見れたりと、12日ならではの祇園祭の楽しみ方が出来ました。